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議事録

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こんにちは。ファシリテーターを務めさせていただきましたワーク&ケアバランス研究所の和氣です。
2年目の「働く介護者おひとり様ミーティング」テーマは「チャレンジ!」。今回は過去のアンケートで多かった「専門職の方の話を聞きたい」というお声から、認知症ケア専門士をゲストにお招きして行いました。

「介護をしながら働き続ける〜認知症ケア専門士を招いて」

開催概要

[日時] 3月14日(土)14:30から
[場所] 新高円寺・アラジンのケアラーズカフェ
[参加者] 女性6名、男性3名。年齢層は40代から50代。
[ゲスト] 現役介護職員(認知症デイサービスセンター勤務)認知症ケア専門士
そのほか、多数のオブザーバーの方にご参加いただきました。

1.現在抱えている不安や不具合は何?

・人が老いる姿を見たことがないから、要介護者がこの先どうなっていくのか不安。
家の中が落ち着かないと、仕事も落ち着かない。
・離職前は、突発的な早退による同僚への配慮が心配だった。今は金銭面。自分が選んだので仕方がないが。
・在宅時は体調を崩すとそれが一番心配。
要介護者の入院中は、病院から連絡が来るたびにぎょっとしてしまう。
覚悟をしてくださいと言われてもなかなか覚悟がつかず、夜も眠れなくなったりする。
・両親が老老介護。母親がアルツハイマーになってしまい、自分の経験ではありえないと思うようなことをやらかすので、こちらも相手をコントロールしようとしてしまう。
親を大事にしたいと思ってやっているはずなのに、自分の都合でやってしまっていることが辛い。
・福祉関係の職場にいたので理解のある職場なのにも関わらず、有休こんなに使っていいのかなど勝手に不安になってしまっていた。(自分の都合なら事前調整できるが、介護はそうもいかないので)

・親にとっては自分しか縁がない。自分が健康を維持できなくなって働けないと、ヘルパーを頼むなどのお金が出ない。自分は健康でいられるだろうか。
・介護はまだだけど、実家と離れたところに自分たちは住んでいるので、何かあった時に誰がどうやって面倒を見るのか?私も働いているので帰宅時間も23時などと遅く、いきなりこの生活を変えるのも難しい。
・自分以外の身内がしょっちゅう長期入院しているので、お金が一番心配。
最近は「いい加減自分に合わせて! 勘弁して!」などと自分でも思いもよらない感情が湧いてきて、それに戸惑っている。
・将来への不安。周りが心配してアドバイスしてくれるが現状維持で精いっぱい。
自分も年老いて独り身のまま、いつ介護の世話になるかわからない。
将来が漠然としていて、具体的なプランが描けない。

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要介護者に対してのこの先の心配はもちろんですが、自分自身の健康やお金の心配が共通して挙がりました。介護者は「老い」や「介護」を目の当たりにしているので、よりリアルに自分の将来が不安になるのかもしれません。
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<認知症ケア専門士の講師によるコメント>
介護にはお金が必要です。普通の健康なお年寄りであっても生活にはお金がかかるので、要介護状態になったらやはり介護者がお金を生み出していかなければなりません。
参加者の皆さんもお金が心配と言っておられ、この先が不安でいるのだなという気持ちがよくわかりました。
けれども、その不安は今考えてもしょうがないです。今、「将来困るだろう」と想定していることが、そのまま実際に困っていることになっているかはわからないからです。
だから、今は「そのときになったらどこに相談すればいいか」という情報を持っておくことが重要です。
闇雲に悩んでも、専門家しか知らない情報がいっぱいあります。
専門家のネットワークを持っている人間、連絡を密に取れる人とつながりを持っておくことが大事です。だから、みなさんのことは心配していません。こういった場で主宰の和氣さんともつながっているし、今日は私ともつながりました。私たちはネットワークを持っています。みなさんからの相談はネットワークを使ってお手伝いできます。逆に、例えばこういった場に出てこられない人たちが、最も危険です。

絶対独りで考えない。身内ではなく、専門職に相談してほしい。
「どうしたら」と悩むのではなく、その悩みを「誰に」相談しようか、と考えてください。

2.認知症ケア専門士による要介護者の状態変化と対策

(参加者の質問にお答えいただきました。)
『認知症はどのぐらいで進んでいくのか?』
(講師)
専門でもその判断は難しいです。
何かをできなくなったように感じた時に、これはできるかな?とやっていただき、だめならヒントを出してまたやっていただく…という風にして判断していきます。
よくある、認知症を疑うきっかけは薬の飲み忘れですが、その薬を出している内科・循環器科などに相談しても、専門でないので認知症の判断はできません。
認知症の判断には画像診断が必要です。「物忘れ外来」「認知症専門医」などで検索してみてください。まずは、正確に何型の認知症なのかを診断してもらうことが大事です。

『在宅で介護を続けるか、施設に入れるのがいいのか、その判断は?』
(講師)
「もう愛せない」と思った時。
愛する息子に愛されていないのだと思うのは要介護者自身も辛いので、そのように感じたら施設を勧めています。認知症でも、愛されているかどうかは私たちの3、4倍強く感じています。
確かめたくて不安でいろんなアクションを起こしているのです。

認知症にかかり、一番はじめにおかしいと感じるのは自分自身です。でも日常に差し支えないので2年ぐらいはそのまま経過してしまう、というのが一般的です。つまり、周りが気づいて病院へ連れて行くころには2年経っていて、認知症が進んでしまっているのです。
不安や恐怖で本人が一番苦しんでいます。そのストレスから表れるのが「行動・心理症状」です。

できなくなったことをさせようとしてしまうのはダメです。試されているようでストレスになります。
また、できることを代わりにやってしまってもダメです。
本人が得意なことをやってもらうようにしましょう。自信を喪失させると症状が進んでしまいます。

認知症をこわがらずに早め早めに病院にいくことをお勧めします。
早めに薬を使うようにすれば軽い症状のまま最後までいけることが多いです。症状が進んでからいろいろ投与しても効果があらわれにくいとも言われています。

『両親は医者に行かないことを自慢にしていたが、いざ病院にいったら色々な病状が見つかった。それなのに手術しても今まで通りにやろうとして無茶をしてしまう。』
(講師)
ある介護者のお宅では、一階が水周りで二階が住空間です。要介護者は普段は二階から降りずに暮らしています。
何があっても一緒に暮らすのであれば、これが生活なのだから、たとえ階段から落ちて亡くなることも生活の一部と受け止めていると、ご家族はおっしゃっておられました。そういう考え方もあります。
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ちょっとマメ知識。
認知症における「行動・心理症状」について。
認知症の症状は大きく分けると「中核症状」と「行動・心理症状」に分けられます。
★中核症状
病気によって脳の細胞が破壊され、それによって機能が失われるため生じる症状のことです。
・記憶障害、見当識障害、理解判断力障害、実行力障害など
★行動・心理症状
中核症状が原因で生活上の困難にうまく適応できない場合に、本人の性格、環境、身体状況が影響して生じる症状です。
・徘徊、興奮暴力、幻覚妄想、うつ、不安焦燥、不潔行為など

3.働き続けるために「就業」という観点からいまからできる準備を考えよう

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就業には色々な意義があります。介護を続けるための収入を得るだけでなく、社会との接点にもなります。介護しながら働き続ける「自分自身のため」に、どんな準備をしようと思いますか?
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・今できるのは、リスク分析。事業継続計画。メンタルの強化。
・離職する人の気持ちもわかる。仕事を半月休んだとき辞めようと思ったが、家族の勧めもあり仕事をしている。外に出ることで気分転換になる。準備としては、資格を取るのも大切。
・仕事は引退したが、週3回シルバーで働いて融通が利くようにしている。同僚も上長も融通が利くし、「介護だから」と理由を言える。
・何をして何をしないかを決めるのも大事。しない覚悟。
・自分が倒れては何もできないので、自分の保険に入った。また、他の社員が自分と同じような苦しい思いをしないように力になろうと思っている。
・稼げるうちに稼いでおく。会社で介護をしていた人は何も言わないでいた。今にして思えば、社内には何も言わず、働き続けるために施設に入れることを選択したのかもしれない。
・自分自身の危機意識が薄いのをどうにかしたい。
・不安感は常に漠然と抱えている。とりあえず貯金。無駄遣いしなくなった。
・先日インフルエンザに罹ってしまったときに急遽母をショートステイに入れた。こういう急な出費に遣えるお金を確保するために、普段倹約している。
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働きながら介護をしていくのは大変です。どうしても働きながらの介護が辛ければ、介護の方をやめてもいいと思います。介護するために転職するのもいいですが、その場合は転職先を決めてからやめてください。離職期間が長くなれば長くなるほど、次の就職先を見つけるのが困難になります。
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最後に、講師からコメント

1.「私がやらなければ誰がやる」と思わないこと!
あなたがやるから誰もやってくれないのです。あなたがやらなきゃ誰かがやります。できないことはやらないでください。
2.「この人のために犠牲になっている」と思うならそれはやめてください。
誰かを犠牲にして介護させていると思いたい人はいません。
3.「誠心誠意の介護」はやめてください。
尽くしてもその気持ちが認知症の人には伝わりません。ちょっと後ろめたいぐらいがいい。
ちゃんとやっていたら認めてほしくなるけど、人って後ろめたかったら相手にちょっと優しくなれるのです。
4.「誰もわかってくれない」と思わない。
仲間はいっぱいいる。号泣したり思いを吐露しても黙って聞いてくれます。

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という感じで
「第9回働く介護者おひとり様介護ミーティング」は無事に終わりました。終わった後も時間の許す限り講師の方にみなさん各々の質問を投げかけていらっしゃいました。
専門家をお呼びしてのミーティングは初めて行いましたが、非常に好評でした。専門家のお話で勉強し、その上で自分自身の人生を考えることのできた有意義な時間となりました。
講師の黄野千寿さん、お忙しいところご協力いただきありがとうございました。

次回は5月16日(土)・・の予定。

ついに10回目です!!!
みなさんのおかげです。ありがとうございます。
「第10回働く介護者おひとり様介護ミーティング」
5月16日(土)14:30~行います。
詳細が決まりましたら
ケアコンメルマガ
およびワーク&ケアバランス研究所のホームページ、Facebookでご案内いたします。
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このミーティングは「働く介護者・働くシングル介護者・介護離職者」の現状を
社会問題として「発信」することが目的のひとつです。
NPO法人介護者サポートネットワークセンター・アラジンの全面的なご協力、ミーティング趣旨をご理解してくださった介護者の皆さまのご協力により
多岐にわたるご意見を社会に発信することができます。

なお、この内容はより多くの方にお伝えしていきたいので、皆さんのお力を借りて、
介護仲間や会社の同僚、お友達や担当ケアマネージャーさんなどにも、発信できたら幸いです。

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