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議事録

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働く介護者を取り巻く環境~社会資源を活用する

開催概要

[日時] 2016年1月16日(土)13:30~15:30
[場所] ケアラーズカフェ新高円寺 in まちのたすけあいセンター
[参加者]
ディスカッション参加 5名(女性4名、男性1名)
ファシリテーター 和氣
スタッフ 3名

1.事例紹介

いわゆる介護環境としての「社会資源」と呼ばれるものには、行政関係やシルバー人材センターから提供しているサービスなど様々なものがあります。
今回は、参加者の中でも特に賢くいろいろなものを活用されている方の事例を話していただきました。
【事例1】
母は現在80代前半、50代で難病と言われる病気を発症した。当時私は別居して独立して生計を立てていた。
・母の年金は少なかったが、難病指定により医療費の負担はかなり軽減された。昨年制度が変わったものの、すでに後期高齢者でありすごく助かっている。

・訪問看護、訪問リハビリは介護保険ではなく医療保険から出ている。介護と医療の別立てで利用できるため、(実質の)サービスの利用上限がちょっと増える。

・また、10年以上前に膝の手術をし、医師に勧められ(身体)障害者申請をした。対象になるには条件があるが、確定申告での(扶養)控除など納税負担額が違ってくる。難病治療に慣れている専門の診療科で、訪問看護ステーションとも連携が取れていて意思の疎通もスムーズ。

・通院の付き添いで有休をとっている。職場にはずっと前から話しているし、会社自体がダイバーシティ推進の取り組みをしており、お互い様という気遣いを見せてくれる。

<ディスカッション>

Q. 最初から制度を使っていたけれど、もし使っていなかったら?
– 経済的に大変だったと思う。現在、年金で十分まかなえている。国の力によってだいぶ助かっている。
Q. 今後の社会資源で一つあげるとしたら?
– あと10年ちょっと働く予定なので、母が一人でいる時間を短くしたい。そのためのサポートが欲しい。会社はフレックスを使えるが、自分がいない時間帯をヘルパーやデイサービスにするなど。または、具合が悪いときだけ在宅で(仕事ができるよう)、というようにできれば。

Q. ヘルパーは1日何時間?
– 私が早く出勤するときは、ランチタイム見守りで30分。生活支援、トイレの付き添いなどが可能。
遅出のときは夕方に1時間15分。

(参加者)介護度が上がるとヘルパー利用頻度は上がるが、2時間空けないと続けて入れられないルール(*)になっている。その間の一人でいるのをどうするんだろう?
(参加者)ボランティアでの見守りや、地域包括ケアである程度まかなえるかもしれない。

Q. 社会資源はどういう役割があると思う?
– 仕事は絶対に継続したい。介護離職した方と接触する機会があるので、ぎりぎりまで何とか工夫して絶対に継続するというのは外せない。細々としてでもいいから収入を得るというのは自分の精神衛生上も必要だし、母に良いサービスをし、お互いのコミュニケーションをハッピーにするするためにも両立は必須。

Q. 資源は働くために必要なもの?
– すごく重要だと思う。自分が働くことで遣った分を世の中に還元できる。介護というと家族だけの話になりがちだが、そうじゃなくて、働くことで社会に貢献できる。

*「訪問介護の2時間ルール」
「訪問介護と訪問介護の間は2時間以上開けなくてはならない」と解釈している方が多いですが、2時間未満でもサービスを受給することは可能です。ただし、たとえば9時から9時30分まで訪問介護を受けて、10時から10時30分まで再度訪問介護を受けると、60分の訪問介護を受けたこととみなして算定するのです。これによって、訪問介護の単価が下がるために「2時間以上あけなくてはならない」と言葉が変わって伝わったと推測されます。

【事例2】
母が精神疾患になったのが介護の始まり。外来の医療費負担について病院から説明を受けたことをきっかけに、出費の際に調べるようになった。我が家は裕福ではないのでかなり必死で調べた。

・転院で移送が必要になったとき、介護タクシーを検討したが高額だった。しかし当時母の加入していた国民健康保険には移送の現金支給という制度があり、手続きを踏んで緊急性が認められれば後日支給される。一度申請を却下されたが、異議申し立てをしたところ翌日受理された。

・精神保健手帳により、NHK受信料が免除になったり、福祉タクシー初乗り料金チケットの支給を受けられたりしている。

・75歳になる前に後期高齢者に入れ、重度障害者医療費助成も受けている(*)。こうすることで医療費が全額還付される。このおかげでお金の心配なく入院させられるようになった。この制度は我が家の家計に影響が大きい。薬もたくさん出るのでその薬代も全て還付される。あとは高額療養費の還付とか、限度額適用・標準負担額減額認定とか一般にも利用されているものももちろん利用。

・本来的な意味合いでの社会資源と言えば、ご近所の見守りにも非常に助けられている 。
社会資源は、経済的負担の軽減を目的に利用させていただいている。お金がないときにどうやってやりくりしようかと悩み、利用できることを知って目から鱗だった。非常に助かっている分、しっかり働いて税金を納めようと思っている。

・これらは自分で調べた。誰も教えてくれない。申請もすごく面倒。ケアマネも、介護保険のことは知っているが、それ以外のことは知らない。医療費的なもの(訪問看護も)は病院の相談窓口に聞いたほうがいい。

*この事例における自治体では、65〜74歳で精神障害者保健福祉手帳を持つ場合に後期高齢者医療制度の被保険者となることができる。また、精神障害者保健福祉手帳を持ち、かつ後期高齢者になると、重度心身障害者医療費助成制度の対象になる。自治体によって助成の内容はさまざまであるが、この事例の場合は所得などの兼ね合いもあり医療費の全額が助成されている。

2.社会資源の利用状況

参加者の皆さんは、どのような社会資源を活用しているでしょうか。

◆一つはオムツの支給。使用頻度が高いので調べたら自治体からの支給があった。支給には所得や病状など条件がある。毎月申請して宅配してもらっている。
またオムツによっては医療控除が受けられる。(商品のパッケージに「医療費控除対象商品」とあるので要確認)尿漏れパッドはドラッグストアで購入している。
もう一つは介護タクシー。病院のパンフレットを見て検討したが、5万から10万と高く、病状を細かく聞かれてなかなか受け入れてもらえない。とは言え使わざるを得ないのでケアマネに相談し、一般のタクシーと変わらない料金の介護タクシーが利用できるようになった。

◆オムツは自治体によって助成が違う。うちの場合は、介護保険とは関係なく使える。リハビリパンツを利用するとゴミ袋も箱で送ってくれることもある。
ケアマネもベテランならいろいろ教えてくれる。車椅子はどれがいいかなど。

◆オムツを区に申請していた。上限7千円でカタログから選べる。病院に入院したときに中断したが、その後病院側に確認され、引き続き同じ制度が使えることがわかった。ただし現物ではなく相当額の還付になる。
他には、区の傾聴ボランティア90分を利用してみた。家族は助かったが本人は気を遣って疲れたらしい。

◆我が家の場合はお金を用意出来てしまうのであまり調べていなかった。
働き口があるのも社会資源と言えるので、アルバイトでなく契約社員とかでも働ければいいと思う。自分の精神的な安定のために働くってとても重要。理解のある働き口がもっとあると、介護者が自分のために使えるお金や時間、夢を持てるようになるが今はまだまだ足りない。

3.社会資源はどのように役に立つものなのか

◆社会資源というものは、介護をしながら恩恵を受けた人が、今度は自分が社会に何が還元できるかということがまずのではないだろうか。しかし介護離職をしたことでそれができなくなる。介護離職を防ぐためには、職場に「相談」ではなく「報告」をしたりして、介護環境を整える。それにより介護者が余裕を持つことで当事者と共に暮らせる環境を作れるかが問題で、社会資源のあり方を考えるヒントになるのではないか。

◆社会資源は、介護者の社会的自立のために利用するもの。

◆国の役割もあるが企業の役割もある。仕事を作っていくとか仕事ができる環境を作っていくとかに興味がある。

◆サークル、環(わ)だと思う。社会資源を受ける、今度は自分が働いて還す。だから行政ももうちょっと分かりやすく還元してほしい。うまく回っていけば相乗効果で社会保障も色々受けられて、仕事も続けられやすくなって、税金も支払える。それがうまく循環して回っていけばいいなと思う。

◆働きやすい環境を整えることが、社会資源になる。自分自身は、社会に還元といった大きなことを思うよりは、会社の中の人に貢献したいと思って取り組んでいる。

4.総評

働く介護者を取り巻く環境は4つあると言われています。そのうちの一つである「社会資源」(行政・地域)を今日は取り上げました。
他の環境のうち、例えば「医療・介護サービス」は要介護者本人のためのものですが、介護者は自分の生活と照らし合わせてサービスをどのように活用するのか考える必要があります。
「職場」は働く介護者の生活に密接なものですので、非常に役割が大きいです。
一方、「社会資源」は他のもので賄えれば使わなくてもすむものと言えます。例えば、家族・親族にお金があれば、あるいは介護サービスを受けられれば、それで済みます。しかし現実としては自覚のあるなしに関わらず使っています。
各環境を自前で整備してもまだ間に合わない部分を、補填する、補うという意義が社会資源にはあるのではないでしょうか。使わなければ他の出費を切り詰めたりしてそれなりに遣り繰りできますが、働きながら介護するという環境を補うものとして国や行政のお力を借りてやっていくことができます。

知らないのは損なのかと思っていましたが、「何に困っているのか」を明確にしたうえで調べれば、そこを補助してくれるサービスを見つけられるかもしれませんね。

5.次回開催予定

次回は
3月19日(土)13:30~(予定)です。
詳細が決定次第ケアラーズ・コンシェル(http://carers-concier.com/)やメルマガ、FACEBOOKで告知いたします。
「あなたの経験が誰かのためになる」
ぜひ、たくさんの方にご参加いただきたいと思います!
お楽しみに~

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